2020年2月以降、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、全世界の人々の生活はこれまでと全く違うパターンに切り替わりました。中でも急激な変化は、企業で一気に進んだ「テレワーク」「在宅ワーク」「リモートワーク」。そして企業以外でも自粛やStay Home によって、これまで比較的「Web会議後進国」であった日本でも、1〜2ヶ月の間に大多数が経験者となりました。毎日のようにTeams 会議、Zoomセミナー、ついでにZoom飲み会、賑わっています。
私自身は外資のコンサルティング会社で働いていた期間が長いため、「電話会議」時代を入れると25年くらい前から、物理的に集合せずに行う会議やセミナー(ウェビナー)を使ってきました。しかし日本企業での導入はこの期間ほとんど進まず、この数年でようやく、働き方改革やオリンピック・パラリンピック時期の在宅ワークを推奨する動きに、重い腰を上げ始めたという状況だったと思います。最もよく聞いた「導入に慎重」になる理由は、「セキュリティ」でしたね。それはまさに重要ですから、便利さとのトレードオフになってはいけない要素です。それでも今回、非常に短い準備期間でも「やればできる」ことが多くの企業で証明されました。そしておそらく、多くの人が、Web会議の「良い面」を実感したと思います。
では今後、コロナの収束後には、また満員電車に乗って1時間かそれ以上の時間を毎日耐え、会議室の予約がいっぱいであるが故にプロジェクトの重要な打ち合わせが速攻で開催できない、顧客を訪問するために全員の予定を苦労して調整し確保する、部内の定例会議のためだけに遠い訪問先から帰社する、こんな「無駄」に戻りたいでしょうか。せっかく減少したCO2の排出を一気にまた増やすのでしょうか。もしそうなら、逆にそうでなければならない理由を、説明できるでしょうか。だって、在宅ワーク+Web会議で十分なんですから。
元のような活気あふれる社会・経済活動を取り戻さなければならない、これは皆が望むことです。しかしその時に、せっかく挑戦した新しい方法までも、元に戻す必要はないのです。この点だけはすべての企業、すべての人々が同じように考えてほしいと思います。
お気づきの方も多いと思いますが、ウェブ会議ツールのリーダー*Zoomは、無料ユーザーの「一回40分まで」という制限をこの週末の期間は、無制限に開放しています。母の日なのに会いに行けない人がオンラインで「ありがとう」を言えるように、「世界中どこからでも必要なだけ」使ってくれ、という粋な計らいです。
What: We’re lifting the 40-minute limit on meetings this weekend for free Zoom users
When: 7 a.m. EST Saturday, May 9, to 7 a.m. EST Monday, May 11(日本時間9日21時〜11日21時)
What to do: Nothing; the minutes cap will be automatically lifted for free accounts. Simply start a Zoom meeting and enjoy unlimited meetings all weekend long.
We hope this allows families and loved ones to connect on Zoom for as long as they need and from wherever they are in the world. (出所:Zoom Blog)
もちろん会ってハグして一緒に食事して、という方が良いけれど、会いに行けない時にはオンラインでも「ありがとう」が言えるという選択肢を持つことは、前よりも良い世界のはずです。 以上
執筆:松川恵美(一般社団法人コレクティブ・アクション)
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参考資料
*1 Gartner マジッククワドラントよりコレクティブ・アクション作成
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